○黒潮町健康情報等の取扱規程
令和2年3月27日
訓令第5号
(目的)
第1条 この訓令は、町における業務上知り得た職員の心身の状態に関する情報を、健康確保措置の実施又は安全配慮義務の履行のために適切かつ有効に取り扱うことを目的とする。
(1) 健康情報等 心身の状態に関する情報として、別表第1に掲げるものをいう。
(2) 健康情報等の取扱い 健康情報等に係る収集から保管、使用(第三者提供を含む。)、消去までの一連の措置をいう。
(3) 収集 健康情報等を入手することをいう。
(4) 保管 入手した健康情報等を保管することをいう。
(5) 使用 健康情報等を取り扱う権限を有する者が、健康情報等を活用(閲覧を含む。)すること又は第三者に提供することをいう。
(6) 加工 収集した健康情報等の他者への提供に当たり、当該健康情報等の取扱いの目的の達成に必要な範囲内で使用されるように変換することをいう。
(7) 消去 収集、保管、使用及び加工した情報を削除するなどして使えないようにすることをいう。
(健康情報等の利用)
第3条 健康情報等を取り扱う者は、あらかじめ職員本人の同意を得ることなく、第1条で定めた利用目的の達成に必要な範囲を越えて、健康情報等を取り扱ってはならない。ただし、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。以下「個人情報保護法」という。)第18条第3項各号に該当する場合を除く。
(健康情報等を取り扱う者及びその権限並びに取り扱う健康情報等の範囲)
第4条 健康情報等を取り扱う者は、別表第2に掲げる者とする。
2 健康情報等を取り扱う責任者(以下「責任者」という。)は、総務課長をもって充てる。
3 健康情報等を取り扱う者及びその権限並びに取り扱う健康情報等の範囲は、別表第3に定めるとおりとする。
4 別表第3に定める権限を越えて健康情報等を取り扱う場合は、責任者の承認を得るとともに、職員本人の同意を得るものとする。
5 健康情報等を取り扱う者は、職務を通じて知り得た職員の健康情報等を他人に漏らしてはならない。
(健康情報等を取り扱う目的等の通知方法及び本人同意の取得方法)
第5条 健康情報等を取り扱う場合には、あらかじめその利用目的及び取扱方法を職員に通知又は公表により周知をする。ただし、公表していない場合であって情報を取得した場合には、速やかにその利用目的等を職員本人に通知する。
2 健康情報等の分類に応じた職員本人の同意取得については、次の表に定めるとおりとする。
1 法令に基づき、収集する情報 | 職員本人の同意を得ずに収集することができる。 |
2 法令で定められていない項目について収集する情報 | (1) 適切な方法により職員本人の同意を得ることで収集することができる。 (2) この訓令に定めている情報に関しては、この訓令が、職員本人に認識される合理的かつ適切な方法により周知され、職員本人がこの訓令に規定されている健康情報等を本人の意思に基づき提出したことをもって、当該健康情報等の取扱いに関する職員本人からの同意の意思が示されたものと解する。 |
3 個人情報保護法第20条第2項各号に該当する場合は、前項の規定にかかわらず職員本人の同意取得は必要としない。
(健康情報等の適正管理の方法)
第6条 健康情報等を取り扱う者は、利用目的の達成に必要な範囲において、健康情報等を正確かつ最新の内容に保つよう努める。
2 町長は、健康情報等の漏えい、滅失、改ざん等を防止するため、次に掲げる組織的、人的、物理的及び技術的に適切な措置を講ずる。
(1) 責任者は、健康情報等があらかじめ定めた方法に従って取り扱われていることを確認する。
(2) 第4条第1項に規定する健康情報等を取り扱う者以外は、原則として健康情報等を取り扱ってはならない。
(3) 健康情報等を含む文書(磁気媒体を含む。)は、施錠できる場所への保管、記録機能を持つ媒体の持ち込み及び持ち出し制限等により情報の盗難、紛失等の防止の措置を講ずる。
(4) 健康情報等のうち、体系化され、検索可能な個人データに当たるものを扱う情報システムに関して、アクセス制限、アクセス記録の保存、パスワード管理、外部からの不正アクセスの防止等により、情報の漏えい等の防止の措置を講ずる。
3 健康情報等は、法令又は黒潮町行政文書管理規程(令和元年黒潮町訓令第6号)に定める保存期間に従い保管し、保存期間に達した場合は、速やかに廃棄又は消去する。
4 健康情報等を取り扱う者は、情報の漏えい等が生じた場合には、速やかに第4条第2項に定められた責任者へ報告し、被害の拡大防止を図る。
5 責任者は、事実関係の調査及び原因の究明、影響範囲の特定、再発防止策の検討及び実施、影響を受ける可能性のある本人への連絡等並びに事実関係及び再発防止策の公表などの必要な措置を講じる。
6 健康情報等の取扱いを委託する場合は、委託先において当該健康情報等の安全管理措置が適切に講じられるよう、委託先に対して必要かつ適切な監督を行う。
(健康情報等の開示、訂正等及び使用停止等)
第7条 町長は、職員本人より個人情報保護法第76条第1項の規定により当該本人の健康情報等の開示請求を受けた場合は、個人情報保護法第78条に規定する開示すべき保有個人情報及び個人情報保護法第81条に規定する保有個人情報の存否に関する情報であるかにより、開示請求に対する決定等を行い、開示を決定したときは、個人情報保護法第82条第1項の規定により書面により通知するものとし、保有個人情報の全部を開示しないこと又は一部を開示しないことを決定したときは、書面によりその理由を提示しなければならない。本人に対し、当該情報を開示する。この場合において、職員本人が識別される情報がないときには、個人情報保護法に基づきその旨を通知する。
2 前項の規定にかかわらず、開示することにより職員本人又は第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれがある場合及び業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合等には、開示請求を受けた情報の全部又は一部を開示しないことができる。
3 職員本人より当該本人の健康情報等について個人情報保護法第90条の規定による訂正又は削除の請求及び追加並びに使用停止(第三者への提供の停止を含む。以下「訂正等」という。)の請求を受けた場合で、その請求が適正であると認められる場合には、訂正等を行う。この場合において、訂正等を行った場合又は行わなかった場合のいずれの場合においても、その内容を職員本人へ通知する。
4 前項の訂正等の請求があった場合は、利用目的から見て訂正等の必要がない場合、誤りである指摘が正しくない場合及び訂正等の対象が事実でなく評価に関する情報である場合には、訂正は行わない。ただし、評価に関する健康情報等に、評価の前提となっている事実も記載されており、それに誤りがある場合においては、その限りにおいて訂正等を行う。
(健康情報等を第三者に提供する場合の取扱い)
第8条 健康情報等は、あらかじめ職員本人の同意を得ることなく、第三者へ提供してはならない。ただし、個人情報保護法第27条第1項に該当する場合はこの限りでない。
2 健康情報等を第三者に提供する場合は、個人情報保護法第29条に則り記録を作成し、保存する。
(第三者から健康情報等の提供を受ける場合の取扱い)
第9条 第三者から健康情報等(個人データ)の提供を受ける場合には、個人情報保護法第30条の規定に則り、必要な事項について確認するとともに、記録を作成し、保存する。
(業務承継に伴う健康情報等の引継ぎに関する事項)
第10条 一部事務組合等から業務を承継することに伴って健康情報等を取得する場合は、安全管理措置を講じた上で、適正な管理の下に、情報を引き継ぐ。
2 労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「安衛法」という。)によらず取り扱う情報のうち、承継前の利用目的を超えて取り扱う場合には、あらかじめ職員本人の同意を得る。
(健康情報等の取扱いに関する苦情の処理)
第11条 健康情報等の取扱いに関する苦情は、総務課が担当する。
2 総務課長は、苦情に適切かつ迅速に対処するものとし、必要な体制を整備する。
(取扱規程の職員への周知の方法)
第12条 この訓令は、ホームページによる公表又は掲示板等により職員に周知する。
(研修)
第13条 健康情報等の取扱いに関して、健康情報等を取り扱う者を対象に研修を行う。
(その他)
第14条 この訓令に定めるもののほか、この訓令の施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。
附則
この訓令は、公表の日から施行する。
附則(令和3年3月15日訓令第6号)
この訓令は、公表の日から施行する。
附則(令和5年3月22日訓令第3号)
この訓令は、令和5年4月1日から施行する。
別表第1(第2条関係)
区分 | 健康情報等 |
1 | 安衛法第65条の2第1項の規定に基づき、町が作業環境測定の結果の評価に基づいて、職員の健康を保持するため必要があると認めたときに実施した健康診断の結果 |
1―1 | 上記の健康診断の受診及び未受診の情報 |
2 | 安衛法第66条の第1項から第4項までの規定に基づき町が実施した健康診断の結果並びに安衛法第66条第5項及び第66条の2の規定に基づき職員から提出された健康診断の結果 |
2―1 | 上記の健康診断を実施する際に、町が追加して行う健康診断による健康診断の結果 |
2―2 | 上記の健康診断の受診及び未受診の情報 |
3 | 安衛法第66条の4の規定に基づき町が医師又は歯科医師から聴取した意見及び安衛法第66条の5第1項の規定に基づき町が講じた健康診断実施後の措置の内容 |
4 | 安衛法第66条の7の規定に基づき町が実施した保健指導の内容 |
4―1 | 上記の保健指導の実施の有無 |
5 | 安衛法第66条の8第1項(第66条の8の2第1項、第66条の8の4第1項)の規定に基づき町が実施した面接指導の結果及び同条第2項の規定に基づき職員から提出された面接指導の結果 |
5―1 | 上記の職員からの面接指導の申出の有無 |
6 | 安衛法第66条の8第4項(第66条の8の2第2項、第66条の8の4第2項)の規定に基づき町が医師から聴取した意見及び同条第5項の規定に基づき町が講じた面接指導実施後の措置の内容 |
7 | 安衛法第66条の9の規定に基づき町が実施した面接指導又は面接指導に準ずる措置の結果 |
8 | 安衛法第66条の10第1項の規定に基づき町が実施した心理的な負担の程度を把握するための検査(以下「ストレスチェック」という。)の結果 |
9 | 安衛法第66条の10第3項の規定に基づき町が実施した面接指導の結果 |
9―1 | 上記の職員からの面接指導の申出の有無 |
10 | 安衛法第66条の10第5項の規定に基づき町が医師から聴取した意見及び同条第6項の規定に基づき町が講じた面接指導実施後の措置の内容 |
11 | 安衛法第69条第1項の規定に基づく健康保持増進措置を通じて町が取得した健康測定の結果、健康指導の内容等 |
12 | 労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)第27条の規定に基づき、職員から提出された二次健康診断の結果及び労災保険法の給付に関する情報 |
13 | 治療と仕事の両立支援等のための医師の意見書 |
14 | 通院状況等疾病管理のための情報 |
15 | 健康相談の実施の有無 |
16 | 健康相談の結果 |
17 | 職場復帰のための面談の結果 |
18 | 1から17までに掲げるもののほか産業保健業務従事者が職員の健康管理等を通じて得た情報 |
19 | 任意に職員から提供された本人の病歴、健康に関する情報 |
別表第2(第4条関係)
健健康情報等を取り扱う者 | 具体的内容 | 表記 |
ア) 人事に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者 | 町長 副町長 教育長 総務課長 | 担当ア |
イ) 産業保健業務従事者 | 産業医(嘱託) 衛生管理者 | 担当イ |
ウ) 管理監督者 | 職員本人の所属長 | 担当ウ |
エ) 人事部門の事務担当者 | 総務課行政人事係 | 担当エ |
別表第3(第4条関係)
健康情報等の種類 | 取り扱う者及びその権限 | ||||
担当ア | 担当イ | 担当ウ | 担当エ | ||
1 | 安衛法第65条の2第1項の規定に基づき、町が作業環境測定の結果の評価に基づいて、職員の健康を保持するため必要があると認めたときに実施した健康診断の結果 | △ | ○ | △ | △ |
1―1 | 上記の健康診断の受診・未受診の情報 | ◎ | ○ | △ | △ |
2 | 安衛法第66条の第1項から第4項までの規定に基づき町が実施した健康診断の結果並びに安衛法第66条第5項及び第66条の2の規定に基づき職員から提出された健康診断の結果 | △ | ○ | △ | △ |
2―1 | 上記の健康診断を実施する際、町が追加して行う健康診断による健康診断の結果 | △ | ○ | △ | △ |
2―2 | 上記の健康診断の受診・未受診の情報 | ◎ | ○ | △ | △ |
3 | 安衛法第66条の4の規定に基づき町が医師又は歯科医師から聴取した意見及び安衛法第66条の5第1項の規定に基づき町が講じた健康診断実施後の措置の内容 | ◎ | ○ | △ | △ |
4 | 安衛法第66条の7の規定に基づき町が実施した保健指導の内容 | △ | ○ | △ | △ |
4―1 | 上記の保健指導の実施の有無 | ◎ | ○ | △ | △ |
5 | 安衛法第66条の8第1項(第66条の8の2第1項、第66条の8の4第1項)の規定に基づき町が実施した面接指導の結果及び同条第2項の規定に基づき職員から提出された面接指導の結果 | △ | ○ | △ | △ |
5―1 | 上記の職員からの面接指導の申出の有無 | ◎ | ○ | △ | △ |
6 | 安衛法第66条の8第4項(第66条の8の2第2項、第66条の8の4第2項)の規定に基づき町が医師から聴取した意見及び同条第5項の規定に基づき町が講じた面接指導実施後の措置の内容 | ◎ | ○ | △ | △ |
7 | 安衛法第66条の9の規定に基づき町が実施した面接指導又は面接指導に準ずる措置の結果 | ◎ | ○ | △ | △ |
8 | 安衛法第66条の10第1項の規定に基づき町が実施したストレスチェックの結果 | △ | ○ | △ | △ |
9 | 安衛法第66条の10第3項の規定に基づき町が実施した面接指導の結果 | △ | ○ | △ | △ |
9―1 | 上記の職員からの面接指導の申出の有無 | ◎ | ○ | △ | △ |
10 | 安衛法第66条の10第5項の規定に基づき町が医師から聴取した意見及び同条第6項の規定に基づき町が講じた面接指導実施後の措置の内容 | ◎ | ○ | △ | △ |
11 | 安衛法第69条第1項の規定に基づく健康保持増進措置を通じて町が取得した健康測定の結果、健康指導の内容等 | △ | ○ | △ | △ |
12 | 労働者災害補償保険法第27条の規定に基づき、職員から提出された二次健康診断の結果及び労災保険法の給付に関する情報 | △ | ○ | △ | △ |
13 | 治療と仕事の両立支援等のための医師の意見書 | △ | ○ | △ | △ |
14 | 通院状況等疾病管理のための情報 | △ | ○ | △ | △ |
15 | 健康相談の実施の有無 | △ | ○ | △ | △ |
16 | 健康相談の結果 | △ | ○ | △ | △ |
17 | 職場復帰のための面談の結果 | △ | ○ | △ | △ |
18 | (上記のほか)産業保健業務従事者(担当イ)が職員の健康管理等を通じて得た情報 | △ | ○ | △ | △ |
19 | 任意に職員から提供された本人の病歴、健康に関する情報 | △ | ○ | △ | △ |
備考
1 ◎:町が直接取り扱う。
2 ○:情報の収集、保管、使用、加工及び消去を行う。
3 △:情報の収集、保管及び使用を行う。なお、使用に当たっては、職員に対する健康確保措置を実施するために必要な情報が的確に伝達されるよう、医療職が集約、整理及び解釈するなど適切に加工した情報を取り扱う。